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2007/11/24

ナウシカと新しい風 (2)

Photo_2

 風の谷のナウシカも、もののけ姫のサンもアシタカもそうだが、彼ら、少年少女達に共通するものは何か?

 それは、明白である。

 「自分の頭で考えて、自分の意志で行動すること」そのことに尽きる。

 今日の社会で、そんなことができている大人は何%いるだろうか? 自分の意志を曲げてでも、たとえば客に媚びて商品を売ってでも生き延びて行かなくてはならない。それを、悪いとか気弱だとか言いたいのでは、まったくない。私も含め、身近に守るべきものが多少なりある人間は、辛くても苦しくても、そして自分を殺してもなお、守るべき者達のために自らを犠牲にしなくてはならない。

 人は大人になると詭弁や世渡りの術を覚え、若い頃には唾棄していた生き方を、否応なく受け入れる。そのことで一時人は傷つくが、そのうちに忘れてしまって、それこそが普通の「正しい生き方」だと、思いこむ。

 それが悲しくも人間である。

 「純粋であること」 それは若者の特権である。

 「悪いことを悪いと言えること」

 たったそれだけのことが、しがらみの藪に絡まれている大人には、とうていできなくなるのである。 「清濁併せ呑む」なんていう詭弁が「大人になった証」として刻印される。

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 私の職場に、4月から新しい職員が入った。

 20代の女性である。大学院卒である。凛とした風情の、才媛と言って良い、私のような好い加減な人格とはまったく違い、品行方正な女性である(^^;) 

 私は自分の職場では、いつも自分のペースで仕事をしてきたが、それが昨年からできなくなって憂鬱だったが、彼女が新しく赴任したことで、職場の雰囲気は一気に変わった。上司は彼女をまるで自分の娘のように、手取り足取りと可愛がり、そして気遣う一方で、「一番の稼ぎ頭であるイチロ」には「やって当然!」とばかり無頓着である(^^;) 評価されないよりはまあ・・・それなりに良いけど、初心者の彼女と指導者であるイチロの給料は、実はまったく同じなのである。

 これって、すごい職務管理だよねぇ・・・(笑)


 (差別発言になるから言いたくはないけれど、女性の管理職って・・・通常は、向いていないかもネ(笑) 日本国の将来と自分の愛人の不倫を天秤にかけることを平気でする姿を見ると悲しくなるよ)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 でも先日来、その若い彼女のものの見方考え方に教えられることが多いのだ。

 新しい風がきたのだろう・・・・・・。

 彼女の資質は、年上の私をある面ですでに抜いていて、その鋭い指摘を控えめにいう発言を聞いてみると、思わず考えたことが、何回かあったのだった・・・。

 私は発言する時や文章を書く時、自分が「日本で一番の作家」であり「世界で一番の評論家」であると、ある意味役者になりきり、擬態して綴る。他の連中の意見を気にしたり、評論家の発言を気にすると、自分の正直な感想が書けなくなってしまうからでもある。

 しかし、彼女の発想というか捕らえどころは、私がそれまでに気付かなかった点を突いてくる。自分が最高だって思っていた砦が崩されそうになる。 こんな事態は、これまでで初めてだった。今まで自分が先頭を走っていると思っていたのに、それを否定するような見解を、さりげなく発言する。

 はっきり言って、彼女の方がレベル的には私より上なのだと実感した。

 確かに人間関係とか事務処理とかトータルな面では、私の方が年の分、圧倒的に優れてはいるが、それは年齢差の問題である。若くて直感的な感性に私は、彼女が成長したらこれからもはや、とうていとかなわないだろう。そう気付いた時、少しショックだったが・・・・・・、

 時代は過流れて行くのだ・・・・・・・・・。

 新しい風が吹いたとき、それが時代交代(世代交代)の時期なのだろう。だが、私は個人的にはもう少し頑張りたいと思う。そして20代の彼女には、もちろん大きく欠けている部分がたくさんあるから、それを少しでも補ってあげたい。

 「ナウシカ」を超え、新しく吹いてきた風に、私は心底から動揺することはこれからもたぶんない。でも、いつでも新しい風が吹き、そして時代は変わり、人が入れ替わる。ミラボー橋を詠ったアポリネールと同じだ。

  そして「新しい酒は新しい革袋に入れよ!」と言われるように、今回私は新しい風を感じて、この世界からの引退の時期を悟ったのだった。


 ※熟柿を作る「寝かし柿」

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コメント

『風の谷のナウシカ』と『もののけ姫』(宮崎駿)の作品が、イチロワールドでここまで「人間関係」に広がり繋がっていくのは、やはり流石です(^_^)

>私は発言する時や文章を書く時、~

「周囲の意見や、評論家の発言を気にすると、自分の正直な感想が書けない。」
  当然と思います。
大事なのは、自分が「日本一の作家」「世界一の評論家」であると本気で思い込んで書いているのと違い、あくまでも、
  「役者になりきっている」ことを自覚しているイチロさん。
それが大事だと思いますし、
そして、そうでないと、本来、自分自身の内から発する『本当の文章や発言など出来ない』と思うからです。

文字の一つ、発言の一つも出ないという、人の意見に右往左往しながらのオドオドとした発言には力がありませんし、人の心が動きません。

>(差別発言になるから言いたくはないけれど

いえいえ、この際ハッキリ書きますが、
差別されているのは、手取り足取りと可愛がられ、気遣われている新しい風の彼女に対して、「やって当然!」と無頓着に扱われ差別された扱いを受けているのはイチロさんの方ではないですか?

そしてその余りに違いすぎる扱い方をする上司が、人を差別した扱いしか出来ない方なのだと書かせて頂きます。

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確かに次の世代に引き継ぐということは「自分の首を自ら締める」という、ある意味「犠牲」ですが、
自分よりも大切な「守るべき世界」を、しっかりと守れるからこそ、次の世代に引き継ぐことが出来る「強さ」を持ち、成せることだと思います。

誰とも比べることなく、人には一人一人、
生涯「何かしらの役割り」があるのではないかと最近思います。

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イチロさんの文章をずっと読んでいらっしゃる方々は、きっと同じ思いだと思いますが、
私から見れば、イチロさんが、

「自分の頭で考えて、自分の意志で行動する人」
「純粋であり続けている人」
「悪いことを悪いと言える人」

に思えます(^_^)

そして、
「決して諦めない人」

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「好奇心」「空想や想像力」をなくしたら、
人はきっと機械になってしまいますね(^_-)

投稿: 惠莉 | 2007/11/25 17:05

「自分の頭で考えて、自分の意志で行動すること」

これができないのは大人だけじゃない気がする。
若い人にも難しいことではないかなと思う。

私はこれができるようになるのが遅れて
大人になってから苦労しました。
「親や先生の言うことを聞いて
素直に従うことができないからダメなんだ」
って世界で育って
(父はこの世界の住人ではありませんでしたが)(笑)
自分の頭で考えることができるようになるまで
時間がかかったから。

子育て中の現在
どうやって自分と同じ轍を踏まなせないようにするか
悩むところです。

「自分を追い抜いていく者を育てる」

子育てもそうあるべきなのでしょうが
私はなかなか達観できなさそうです。
子どもがもう少し大きくなって
「お母さん、料理下手じゃん!」とか
「ぐーたらしてるばっかりじゃん!」
(これは実は自分の内心の声)
とか言われたら
「きーっ!あんたにお母さんの何がわかるのよ!」
と感情的になりそう(笑)

もっと精神的に大人になれるよう
精進しなきゃf^^;
でもきっとイチロさんの方が
年上でしょうからまだまだ間に合うかも(?)

イチロさんや他の常連さんの文章で
いろいろと勉強させていただいていますm(--)m

投稿: つんちゃんママ | 2007/11/25 18:25

ママ

}}「自分の頭で考えて、自分の意志で行動すること」

}これができないのは大人だけじゃない気がする。
}若い人にも難しいことではないかなと思う。

責任があるから面白い仕事が出来るのに
今の若者は 責任から逃げたいんだよね。

投稿: め娘 | 2007/11/26 08:45

惠莉

(差別発言)

私は (性差として)差別発言だと思うな。
まぁ その女上司は とんでもない奴だとは思うが
性差の前に人間として・・・ が有るべきだろ?

投稿: め娘 | 2007/11/26 08:53

多分、ご察しの通り、
め娘の言っている意味は、しかと伝わっているよ(^_^)

 ----
「ナウシカと新しい風(3)」からコメントを連れ戻してきて申し訳ないのだけれど、

>春になれば 毎年出てくる若芽に
>ビビッてんぢゃねぇよ。

イチロさんは、今回「宮崎駿の作品」に人間関係を合わせて書いているので、これからご自分が育てる役目の「新しい風の女性」にビビッて書いているのではなく、むしろ、

とんでもない「上司」が「たまたま」女性であって、その大人らしくない「女上司」の方が「問題」と読めました。


※私信ですが、明日から体調を崩すかもしれません。

投稿: 惠莉→め娘 | 2007/11/26 22:22

め娘

>責任があるから面白い仕事が出来るのに
>今の若者は 責任から逃げたいんだよね。

そうなんだ~(ため息)
いけない風潮だと思います。

最初に一般事務職で働いたとき
ささやかでも自分が仕事をまかされて
会社の大きな仕事の流れの(ほんの)一部を担っていると
感じたとき
私は嬉しかったし、やりがいを感じたものだったけれど。
自分なりにちょっとした工夫なんかして。

私の失敗は最初に長く勤められない会社
(女性は5年の嘱託制)を選んだことと
本当は一般職が向いているのに
専門職を目指して挫折したことかな。

専門職の方が雇用形態が安定していて
自立に直結していたからだけど。

一般職で長く勤められるところに
就職すれば良かったf^^;

それと報告が遅くなったけれど
うちは手作りゼリーが定着しました(^^)v
「うちはゼリーは作るもの!」と言って作ってたら
子どもも混ぜるのを手伝ったりして
良い感じになってきました。
これもめ娘やtomさんや惠莉さんのおかげです(^^)
ありがとうございましたm(--)m

投稿: つんちゃんママ | 2007/11/27 10:44

追伸

ちゃんと「のどにひっかかったら苦しくなって
パパやママに会えなくなるから
うちはやわらかいゼリーを作って食べるんだよ」って
説明してま~す(^^)v

そんな話を友人にしたら
ものすごくいろんな種類のある(10種類以上)
味つき寒天ゼリーの素を贈ってくれたので
時々市販品で手抜きして作ってますがf^^;

投稿: つんちゃんママ | 2007/11/27 15:08

※返事が遅くなってスミマセンでした。

◎惠莉さん

そこまでわかっていただけると、とても嬉しいです(^^)

◎つんちゃんママさん
>自分の頭で考えることができるようになるまで
>時間がかかったから。

そうですか? ただ、私のように自分の頭でいつも考えていると、人との軋轢を起こすこともありますので要注意です(アハハ)

◎め娘
>性差の前に人間として・・・ が有るべきだろ?

わかってをります(^^)

投稿: イチロ | 2007/11/29 21:36

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